リフォーム・リノベーション専門雑誌「プランドゥリフォーム」に掲載中のコラムのウェブ版です。
一説によると、人は1日に2万通り以上の思考が頭を駆け抜けるそうです。
その思考により気分が変わり、物事の解釈や行動のパターンが変わるため、創られる現実に影響するともいわれています。
お家のリフォームも身体のリフォームも、その人が考えた「思考」が形作るものなので、こう考えると思考や気分を整えるのはとても大切なことだと思えますね。
よく「センスがある」などといいますが、センスの良いお家や身体を創るには、気分や思考をリフォームするのが手っ取り早いのかもしれません。
では、具体的な脳トレの方法の前に、簡単に脳の仕組みをご説明しましょう。
思考を司るのは脳の前頭前野といわれる部分です。
ちょうどおでこの奥にある前側になります。人はここで論理的な思考を行います。
思考は過去の記憶から情動反応(感情)を引き起こします。ストレスやネガティブな思考では脳の中の扁桃体が刺激され、ストレスホルモンを分泌します。このホルモンは自律神経系の交感神経を作動させ、身体を戦闘状態にします。逆に心地よい思考は扁桃体や側坐核といわれる部分を刺激して、ハッピーホルモンを分泌します。
ハッピーホルモンは安心感や幸福感、満足感を与えてくれるのです。
思考の状態は、「気分」を作るホルモン分泌の組成に大きく影響を与えることが機能脳科学の分野でも立証されている科学的なものです。ですが、なかなか自分で思考をコントロールするのが難しいのも事実です。人は動物としては他の種よりも弱い分類にあたるため、生き残るために危機管理情報、つまり不安回避の思考がDNAに組み込まれているといわれています。そのため放置しておくと、ついついネガティブで怒ってしまうような思考に流されがちになるのです。
思考と気分を良好な状態にするには、ちょっとしたコツと訓練が必要ということです。
それでは、ここから気分を保つための具体的方法についてご紹介いたします。
ウォーキングや軽いランニング、ヨガや筋トレなど負担にならない程度の運動を、 1日 20 分週3回続けてみましょう。運動することは筋肉や関節からの情報量が増えるため、ネガティブで余計な思考を減らしてくれます。
脳の情報操作を行うということですね。
大きく体を伸ばした姿勢や、態度の大きい座り方などを2分間持続します。
こうすることで、脳内のホルモン分泌がハッピーホルモン主体に変化することが研究で報告されています。大きい態度を取る時は、周りの人に誤解されないように注意しながら行ってください(笑)。
これも同じく、研究で報告されたものです。
笑顔を強制的に作ることが、ハッピーホルモンの生成に貢献してくれます。
ボランティアや誰かのサポートを積極的にすることは、心の充足感につながります。
無償の奉仕を行うことで、ストレスを軽減させましょう。
家族やパートナーとのスキンシップもハッピーホルモンの生成につながります。
ひとり暮らしの方は抱き枕でも同様の効果があるようですので、ご安心を。
呼吸を観察し、頭の中に浮かんでくるさまざまな思考を受け流すように瞑想をすることが、ハッピーホルモンの生成につながります。
刺激の多い社会だからこそ、静かに座ることは心と身体の安定につながります。
以上6項目は、道具などの必要がない身体ひとつで行えるものばかりです。
お家をリフォームする前はきっと良いセンスを育んでくれるでしょう。
心地よいリフォーム後は、さらに気分の安定に貢献してくれると思います。
お家も心も身体も整えて、良い季節をお過ごしください。
作家・エッセイストの千石涼太郎さんのエッセイ
救急救命士で救急医療に従事したのち、カイロプラクティックを学び、開院した経緯をもつ院長が綴る健康コラム
犬との暮らしを綴ったほのぼのコラム
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