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今年の寒さは格別でした。そんな過酷な冬も終わり、春を迎えようとしている北海道。 皆様のお身体は春の準備は出来ていますか?

今回の身体のリフォーム術は、皆様の身体の「エネルギー」とその「運用」について一緒に考えてみたいと思います。


ヒトの身体は一日の中でも、ひと月の中でも、そして一年の中でも変化し続けています。
ですが、その変化は必ずしも自分にとって良いものとは限りません。
冷え性に悩まされたり、むくみが取れにくかったり、気力が減退したり・・・。
ネガティブな要素は挙げてもキリがないほどだと思います。
自分の身体のエネルギー効率を考察する事は改善策を導き出し、より快適な身体への指針になると思います。

エネルギーとは

カラダのエネルギーといわれても漠然とした定義なので、はじめに身体のエネルギーについて考えてみましょう。人体は主に酸素と糖分をもとに維持・活動していきます。
これらの成分は血液に乗って全身に供給され、細胞でエネルギー化し代謝産物が生成されます。この代謝産物もまた血液によって回収・排出されます。
このサイクルの中で障害があるとエネルギー効率の低下につながります。
現代は栄養過多であることが多いため、病気の状態でない限り糖分不足は少ないと思います。また、正常に生きている限り酸素が足りてないこともありません。(医学的には)
つまり、健康な人(病気でない人)のエネルギー効率は血流で考えると分かりやすいのです。




血流減少がもたらす問題とは

人の身体はストレスがかかると神経が活性化し(交感神経の優位)すぐに動けるようにストレスホルモン(コルチゾール・ノルアドレナリンなど)が分泌されます。
これは太古の昔、人が生き残るため「闘争か逃走」のために出来上がったシステムといわれています。ですが、現代では戦ったり逃げたりする必要がないため、分泌されたホルモンは消費されず身体を傷付ける方向に働いてしまうようになりました。
また、興奮した交感神経は皮膚などの末端の小さな血管を収縮し(筋肉に血液が集まる)、内臓の機能を低下させていきます。闘ったり逃げたり、いわゆる動く事で発散されてしまえばよいのですが、現代人はそのまま発散できずにほぼ動けずにいます。その為、興奮状態にある身体はリラックスしきれずに、小さく興奮したままになってしまいます。




意欲の低下の原因

ストレスが続いたり毎日が忙しすぎたりすると、「運動しよう」「健康のために何かを始めよう」など前向きな意欲が減退してしまいます。
これは、日々の生活の中で身体が疲れたのではなく、脳が疲れているサインです。実際の人間の体力は想像以上のものがあるのですが、毎日の忙しさ、あるいは単調さ、頭の中で繰り広げられる妄想からくる不安などに脳が疲労してしまい、身体に必要なことや本来やりたいことに意識が向きにくくなる状態です。




子どもや動物の本能の動きとは

自然な状態に近い子どもや動物から学べることはとても多いです。
子どもたちは基本的に落ち着きがなく、少しの時間でも体のどこかを動かし続けています。これは寝ているときでさえ寝相の悪さに繋がっています。また肉食動物は捕食や逃走の時以外はのんびりゆったりと転がっています。子どもも動物も情報処理能力が人間の成人程高くないため、変な妄想に囚われることなく、身体の要求に従いリラックスし、興奮や身体の違和感に伴い動いているとも言えます。子どもも年齢が進むにつれ落ち着きを獲得していきますが、逆を言えば身体からの情報や刺激、本能的な欲求を無視して、身体よりも周囲の環境を優先してしまうとも言えます。社会生活を営む上では必要な能力ですが、これが過度に働きすぎると生きることがストレスとも言えなくありません。




これらの事をまとめ、少し対応策を考えてみましょう。


① リラックスできる時間と興奮できる時間を作る。

一日5分ずつでも良いのでゆっくりと何もしない時間と身体が疲れてしまうくらい動かす時間を設けます。短時間でも良いので極端なまでにリラックスしたり興奮させたりするのがポイントです。体の内部で不均衡になった自律神経と消費できないストレスホルモンを解消する効果があります。

② 体の状態を観察する

周囲の環境や頭の中の思考にばかり囚われていては、身体の不具合に気付くことは出来ません。どんなに忙しくても、身体だけは常に自分と共にあるのですから体の状態に常に気付くように意識してみましょう。思った以上に身体は違和感などのサインを発しているはず。可能ならばその都度動くなどをして解消してあげましょう。



身体のエネルギーの効率を考えた場合、血流の良さは切っても切れない関係です。
なぜ血流が低下するのか、原因は人それぞれで様々な要因が絡み合っていますが、大切なのは「原因を探ること」対処法はそのあとに出てくるものです。
今回は、エクササイズ法というより「身体を考察する」ことに主眼を置いてみました。
これを機会に日常生活やご自身の癖などをぜひ探ってみてください!


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