リフォーム・リノベーション専門雑誌「プランドゥリフォーム」に掲載中のコラムのウェブ版です。
2005年の秋にお兄ちゃんワンコを
我が家に迎えてワンコ族になってから、
はや20年を迎えようとしている。
小さい時から猫と暮らし、20年近く連れ添った愛猫を亡くした悲しみから何年も立ち直れずにいた頃、たまたま立ち寄ったペットショップでいまはお空にいるお兄ちゃんワンコと出会ったことで、ワンコ族の仲間入りをした。猫には必要のないゲージやペットシーツ、リードやハーネスなど、犬と暮らすにはこんなにモノが必要なのか!と驚き、「ほおっておいてね~」という猫と違い、犬は命令の意味を理解し行動し褒められることを幸せに感じると知るや、しつけ本を片手に「お座り」「お手」
「伏せ」などのコマンドを教えては褒める! やることが多くて大変だった。
ワンコ暮らしがネコ暮らしと決定的に違うのは、一緒に外出できることだろう。お散歩やドライブはもちろん、切符を買ってJRにも乗れるし、ホテルにも一緒に泊まれる。近所のワンコやワンコママ・パパとの関係もできるから、交友関係が広くなる。スマホに保存した写真の99%がワンコなのは、きっとわたしだけではないと確信している
弟ワンコは心臓病でここ数年、病院に通っている。病院に行くたびにすごくお金がかかるし、いつ発作が起きるかわからないので遊びにも旅行にも行けない。そして何よりも、いつも心配でたまらない。ワンコはとにかく、目を見つめてくる。調子のよい時も具合の悪い時も、しっかりとまっすぐに目を見つめてくるのだ。 ワンコが元気な時はうれしいし楽しい気持になるけれど、具合の悪い時は見つめられると切なくて悲しくて、何もしてやれない自分の無力さにがっかりしてしまう。具合の悪い時こそ「この子が頼れるのは、わたしだけなんだ」と、どのワンコママもパパも踏ん張っていると思う。
生意気でワガママでちっとも言うことを聞かないかと思えば、急にべったりと甘えてきて離れなかったりマイペースで自由なワンコ。縁があって我が家に来てくれた「この子」が虹の橋を渡るまでしっかりと向き合うのが、迎い入れた飼い主の責任。ワンコ族のみなさん、楽しい時もつらい時も共に生き、途中で投げ出すことなど決してせずに、まっすぐ見つめてくるワンコの目にきちんと応えられる飼い主でいましょう。
ワンコはたくさんのハッピーを運んでくれる大切な家族なのだから!
作家・エッセイストの千石涼太郎さんのエッセイ
救急救命士で救急医療に従事したのち、カイロプラクティックを学び、開院した経緯をもつ院長が綴る健康コラム
犬との暮らしを綴ったほのぼのコラム