リフォーム・リノベーション専門雑誌「プランドゥリフォーム」に掲載中のコラムのウェブ版です。
歩き方や話し方、さまざまな動きには誰しも違いがあります。よくいえば個性ですが、悪くいうと「クセ」というやつです。そしてこの「クセ」が、実は前述した「原因」なのです。
身体を使うときに「これが正しい」と判断して動くことは決して多くないと思います。むしろ、無意識に行われていることがほとんどでしょう。無意識に行う動作は、その人それぞれが「楽だ」と思い込んでいるに過ぎません。ところが、その「楽だ」と思い込んでいることが、かえって身体のバランスを崩し、知らず知らずのうちに身体を消耗させ、細胞単位での損傷や、疲労物質をため込むことにつながっているのです。
簡単にいうと、筋肉を使うべきときに使わず、休ませるべきときに休ませず、さらには、余計にほかの部分まで使ってしまっているということです。次の項目に当てはまる方は要注意です。
以上、挙げればキリがないのでこの辺にしておきますが…。基本的な動作の中ですら、こんなに注意点があるのです。
こうした動作は一見、楽なように感じられますが、小さなストレスを身体の中にため込んでいきます。ちりも積もれば何とやらではないですが、年単位で見ていけば、これらのストレスが身体の変形や老化の促進、痛みや機能障害を招く原因となってくるのです。
では、この原因を減らし、身体をより効率よく使っていくためにはどうすればいいか…。
それが、「良いこだわり」なのです!
具体的には「身体を柔らかく、美しく使う」こと。身体の正しい使い方にはこまごまと原則がありますが、シンプルにとらえると、柔らかく、しなやかに力を抜いて、綺麗な所作を心がける。昔からある日本人の動き、そして動物の動きの基本ですね。
生活習慣が欧米化・高度化してきている中で、忘れ去られてきた動物の動き、これをイメージし、こだわっていくことで身体の負担はグッと変わります。
「楽」な方向に流されやすい現代社会ですが、車を多く使うことで足腰が弱くなり、パソコンを使うことで肩や首からくる頭痛に悩む。
これでは何のための便利かわかりません。
綺麗に身体を使うことは、やってみると意外に疲れるものです。しかし「苦の中に楽がある」かのごとく、身体の無用な消耗を減らし、筋肉を適切に鍛えてくれます。
まずはイメージをしっかり持って、美しく柔らかいことにこだわりを持つこと。それが、身体のクセを大きくリフォームしてくれるのです。
お家と一緒に身体にもこだわりを表現することで、環境も内面も自分らしく素敵になると素晴らしいですね。
作家・エッセイストの千石涼太郎さんのエッセイ
救急救命士で救急医療に従事したのち、カイロプラクティックを学び、開院した経緯をもつ院長が綴る健康コラム
犬との暮らしを綴ったほのぼのコラム
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