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リフォーム戸建て

古いアパートを3世代の快適な住まいへ改築 造作活かして機能充実の家へ <札幌・リフォーム・アパート>

アルティザン建築工房

築50年近いアパートを持っていた奥さまの伯父さまから声がかかり、ご両親もいっしょの3世代で暮らすことになったSさんご一家。1階の伯父さまの住まいは触らず、ほかの部分をリノベーション。外観も見違えるほど変わり、最初は「こんなに変わるのか」と驚いていた伯父さまも満足されているそうです。





1階に伯父と両親、2階は家族4人の住まいに


石狩市の戸建てに家族4人で暮らしていたSさん。すぐ近くに住む奥さまのご両親が80代になり、Sさん宅で同居することにした頃、お母さまのお兄さまから「札幌のアパートを直して、いっしょに住まないか」と提案がありました。

奥さま 伯父もひとり暮らしだったので、近くにいた方が安心ということで引越すことに。ただ、すごく古いアパートなので、以前、家の相談をしたことのあるアルティザン建築工房さんに、リノベーションが可能か聞いてみることにしました。1階の半分は伯父がそのまま暮らすので、同じ1階に両親、2階にわたしたち家族4人が暮らす形でリノベーションしたいというのが条件です。

リノベーションするにあたって、これだけは実現させたいということはあったのでしょうか。

奥さま 石狩の家より狭くなるのは仕方がないとして、キッチンやトイレ・バスなどの設備は、いままでの暮らしと同レベルの機能を備えたいこと。それから、片づけや掃除が苦手なので、家の手入れがしやすいようにとお願いしました。

アルティザン建築工房(以下、担当者) 限りあるスペースに3世帯ということで難しい部分もありましたが、ご要望をうかがい、1つずつご相談しながら設計を進めました。



趣味スペース側から見たダイニングとリビング。ダークブラウンの梁が空間の良いアクセントに

趣味スペース側から見たダイニングとリビング。ダークブラウンの梁が空間の良いアクセントに


窓際に設けたスペースで、趣味の刺繍を楽しむ奥さま。「広くて明るい」と満足そう。コーナーに置かれたパソコンは主に長女が使っています

窓際に設けたスペースで、趣味の刺繍を楽しむ奥さま。「広くて明るい」と満足そう。コーナーに置かれたパソコンは主に長女が使っています



造作を効果的に機能させ、コンパクトに暮らす


広さについて、ご家族はどのような反応を示されたのでしょう。

奥さま 娘たちはいつもリビングにいて、自分の部屋にいるのは寝る時くらいなので、狭くなることに反対はありませんでした。持ち物もかなり処分して、いかにコンパクトに暮らすかを考えました。アルティザンさんに"必ず"とお願いしたのは、ファミリークローゼットです。娘たちは洋服など共用のものが多く、それぞれにクローゼットがなくても構わない。家族の衣類をまとめて1ヵ所にしまえる場所があればいいし、その方が片づけもラクです。

水回りの使い勝手などにもこだわりが見受けられます。

奥さま 上の娘が、洗面で化粧をしやすいようにと明かりや広さ、化粧道具を入れられる収納などいろいろ注文していました。わたしは、洗濯機の横に汚れ物専用の大きめのシンクをお願いしました。洗濯だけでなく、犬もここで洗うことができて便利です︵笑︶。あと、キッチンでは収納や作業台の部分を造作で使い勝手よくしてもらいました。

ご主人 つくってもらったという点でいえば、娘たちの部屋を分ける可動式の棚もよかったよね。

奥さま 最初はふたりの部屋を分けないように考えていたんですが、長女が社会人で次女が中学生なので、夫が、寝る時間を考えたら分けた方がいいんじゃないかと。それで、仕切りとして使えるように棚を可動式にしてつくってもらいました。



こちらのPCスペースはご主人と次女が使っているそう。「イラストを描く娘にほとんど取られていますが」と笑うご主人

こちらのPCスペースはご主人と次女が使っているそう。「イラストを描く娘にほとんど取られていますが」と笑うご主人


リビングの飾り棚の右側、壁を抜いた部分はパソコンコーナー。明かりとりとあわせて家族の気配も伝わります

リビングの飾り棚の右側、壁を抜いた部分はパソコンコーナー。明かりとりとあわせて家族の気配も伝わります


白壁の空間を床や梁のダークブラウンで引き締めて。居心地のいいリビングになりました

白壁の空間を床や梁のダークブラウンで引き締めて。居心地のいいリビングになりました


リビングに設けた飾り棚には、奥さまの刺繍やお嬢さんのイラストを飾って

リビングに設けた飾り棚には、奥さまの刺繍やお嬢さんのイラストを飾って



長年暮らした伯父の想いも大切に


工事は、伯父さまが1階に住まわれたまま行われました。

担当者 音のことなどに配慮しながら工事をしました。古くからこのエリアにお住まいだったので、ご近所への挨拶まわりにもついてきてくださるなど、ありがたかったですね。

ご主人 伯父もリノベーションの経過をそばで見られて、安心したようです。DIY好きということもあって、大工さんともすっかり仲よくなっていましたね。

担当者 建物全体の印象に関わる外壁や屋根などの改修は、かなり細かくすり合わせをさせていただきました。伯父さまにとっても愛着があるアパートですから、その想いも大切にしながらプランを考えました。できるだけ既存のものを活かすようにもしました。例えば、バルコニーはアパートの外階段だった部分を活かして設置しています。

奥さま バルコニーは思っていた以上に広く、洗濯ものもたくさん干せるし、キッチンからもクローゼット側からも出入りができるようになっていて、とても便利です。



階下のご両親に呼ばれた際、すぐに顔が見えるようにとご主人の案で階段はルーバーに。階段の照明にはご両親の前の家のものを活用しました

階下のご両親に呼ばれた際、すぐに顔が見えるようにとご主人の案で階段はルーバーに。階段の照明にはご両親の前の家のものを活用しました


ファミリークローゼット前の廊下に、お嬢さんこだわりの洗面台を設置。造作した容量たっぷりの収納には化粧道具やアクセサリーなどがすべて収まります

ファミリークローゼット前の廊下に、お嬢さんこだわりの洗面台を設置。造作した容量たっぷりの収納には化粧道具やアクセサリーなどがすべて収まります


子供部屋の棚はキャスター付きで可動できるのがポイント。夏は棚をずらして、風通しよく過ごしていたそうです

子供部屋の棚はキャスター付きで可動できるのがポイント。夏は棚をずらして、風通しよく過ごしていたそうです



耐震も断熱もハイレベルに実現

奥さま 建物が古いので、耐震や断熱が心配でしたが、アルティザンさんはそこも力を入れているということで、安心してお任せしました。

担当者 性能向上の数値計算をしながら進めました。基礎が無筋コンクリートだったので、基礎補強のために強化繊維のアラミド繊維シートを張って対応。伯父さまのお住まい側の外壁も断熱補強しています。

奥さま この夏は断熱のおかげで、伯父の部屋も思ったより暑くなかったようです。冬も快適に過ごせるのではないかと話しています。

ご両親のスペースで気遣ったこともいろいろあったようです。

奥さま 万が一転んだ時のことを考えて、床はクッションフロアに。あと、最初はキッチンを付けない予定でしたが、母もキッチンに立てるうちは好きに料理をさせてあげた方がいいかなと思って、予定していた洗面をやめて、ミニキッチンを設置してもらいました。

「アルティザンさんは、わたしたち家族の生態(笑)をよく理解してくださったので、わたしたちの暮らし方に合ったリノベーションができました」と話す奥さま。満足度の高いリノベーションで、3世代7人の新たな暮らしが始まりました。








Data

  • 築年数:築49年
  • 種別・構造:アパート・木造2階建て
  • 床面積:1階91.26㎡+2階81.00㎡
  • 工期:約3ヵ月
  • リフォーム費用:約2,670万円
  • プランドゥリフォーム vol.41号 掲載