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木のまな板の一番の利点は包丁で食材を切る時の刃当たりが良いことと切れ味が長持ちすることです。木の弾力が包丁の刃を優しく受け止めて腕への負担も軽くします。他の素材とくらべて寿命が長く、何十年も使えます。使っているうちに表面がへこんできたら削り直して平らにできます。木材は乾燥していると水分を吸い込みやすいので、まな板を使う前に表面を水で濡らして食材の水分や油分の染み込みを防ぎます。木の性質にあった使い方をすると木のまな板は長く快適に使えます。



 
[まな板に向く木]


ヒノキ、ヒバ、イチョウ、ヤナギ、カツラ、ホオは水に強く柔らかで弾力があり、まな板に向いています。ヒノキとヒバは爽やかな木の香りが特徴です。イチョウは水はけが抜群です。木目が詰まっていて汚れが染み込みにくいです。イチョウは銀ぎん杏なんのような匂いがする事があります。購入の際は匂いの確認をおすすめします。ヤナギは柔らかく反りにくい木です。カツラは目が細かく均一な硬さが特徴。幅が広いまな板でも反りにくい木です。ホオは歪みが少なく、刃当たりが良いです。緑色に近い色が特徴です。


 
[一枚板と集成材]


木のまな板は一枚の木から切り出した「一枚板」と数枚の木を接ぎ合わせた「集成材」があります。一枚板のまな板は硬さが均一です。集成材は反りにくいのがメリットですが接着部分から傷むことがあり耐久性は劣ります。まな板を選ぶ時、一枚板か集成材かは表面と側面の木目を見ます。接ぎ目があり、木目が途切れていたら集成材、木目がつながっていたら一枚板です。



一枚板のまな板は木取りの仕方で「柾目」と「板目」があります。年輪に対して垂直方向に製材した木を柾目と言います。柾目は板目にくらべて反りにくいです。


 
[個体差がある]


同じ樹種でも育った環境で木の表情は様々です。目の詰まった木は重みや硬さも異なります。


 
[最初に水で濡らす]


まな板を使う前に表面を水で濡らします。水分を含ませてから食材を切ると食材の水分や油分が染み込みにくくなります。


[まずは水で洗う]


まな板を使い終わったら、水で洗います。まな板に付着した肉や魚のタンパク質はお湯では固まるのでまずは水で洗います。タワシで木目に沿ってゴシゴシ洗います。洗い終わったまな板はフキンで水分を拭き取り、立てて乾かします。
 



 
[大小あると便利]


我が家では、ヒノキとイチョウとホオのまな板を使っています。イチョウは水はけが良いので使いやすいです。キャンプ用に小さなホオのまな板を20年使って感います。最近は自宅でもよく使います。生姜やニンニクをみじん切りにする時など小さな食材を切る時は小さくて軽いまな板は重宝します。


料理をする時、無くてはならないのが包丁とまな板。まな板を木製にしてから包丁の切れ味が長持ちするので研ぐ回数が減りました。食材を切る時のトントンと心地よい音、食材が木の表面に吸い付くような感覚は木のまな板の魅力です。毎日使うモノだからこそ心地よく使える木のまな板をおすすめします。


 
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