最強のリノベーションマニュアル

リノベーションの手順が知りたい

 リノベーションを成功に導くには、信頼できる施工会社を早めに選ぶことが重要です。
無理なく、無駄なく、心から満足できる住まいの実現に向けて、戸建てでも、マンションでも、中古物件探しの段階から施工会社と二人三脚を始めましょう。

ここまで分かればOK、いま注目の「リノベーション」

 マイホームは、新築にこだわらず、中古住宅にしてみませんか。
そのまま住むのではなく、あなたのライフスタイルに合わせて、間取りから設備仕様までを思い通りに、大胆に改造するのです。
そんな「リノベーション」によって、安く手に入れた中古の戸建てや中古のマンションを満足のいく「自分仕様」にして住む人が増えています。
もう「リノベ」は、住まいづくりとして無視できない方法です。
「リノべのことをもっと知りたい」「リノベをやってみたい」――
こうした声に応えてお届けする〈実践リノベ入門〉。
あなたのマイホーム実現の手引きにしてください。

 
 
STEP1 家族の希望を集約する

譲れない条件、優先順位


譲れない条件、優先順位

 リノベーションする中古住宅を探し始める前に、これから暮らしたい住まいの条件を家族で話し合っておきましょう。戸建てかマンションか、通勤・通学時間はどれくらいまでか、広さはどのくらい欲しいか、間取りはどうしたいかなど、希望を出しあったうえで優先順位をつけます。
 小学生くらいまでの子どもを持つ夫婦なら、自宅周辺の遊び場、同年代の子どもが多いかどうかなど、環境重視が物件選択の軸になるかもしれません。いまは集合住宅で下階に気兼ねしながら子どもを自宅で遊ばせているのなら、この際、戸建てのリノベーションに取り組むのもいいでしょう。
「子ども」という要素を考慮しなくてよいのなら、物件選びの幅はもっと広げられます。立地重視で、都市中心部の物件に絞ってみたり、部屋数にこだわらずにオープンな空間にリノベーションできる物件で比較検討したり。
 こうして家族の希望を集約しておけば、求めるべき物件のエリアや規模が絞られるので、不動産業者に探してもらうにしても、自分で希望地域を回って見るにしても効率がよくなります。

マンションか、戸建てか

 マンションから戸建てに住み替えたい。でも、中心部近くの利便性は捨てがたい。そんな悩みを解消してくれるのも中古住宅のリノベーション。新築にこだわると、とくに都市部では、どうしても立地・環境が制約されます。
 通学や進学エリアといった子どもの教育にかかわる都合を優先したい。通勤時間を削り、その分、家族と過ごす時間を増やし、趣味や勉強の時間にも充てたい。気に入った公園やお店がそばにあり、暖かい人づきあいのある界隈に暮らしたい。――そんな環境重視派には、新築の戸建てではなく、中古の戸建てのリノベーションこそ最適な選択かもしれません。

  
STEP2 リノベーションの施工会社を選ぶ


 購入代金の決済が終わり、物件が引き渡されるまでの間も、施工会社とは細かな打ち合わせを重ねることになるでしょう。
 手に入れた物件の可能性と制約条件、当初に抱いた希望、予算範囲、そして施工会社の提案をよく検討して、リノベーションの最終プランと工事金額を確定します。いよいよ大詰めです。

物件の購入前に

 プランと工事金額に納得できたら施工会社と工事請負契約を交わします。
 工事規模によりますが、工期は1?2か月程度が目安。施工会社が作成する工程表を手元に置き、スケジュールを把握します。現場での相談や調整が必要なことが生じるかもしれません。節目となる工事の時期をおおよそ頭に入れておきましょう。

リノベーションを決意したら、早めに施工会社を選びましょう。どれだけ早めがいいか?  中古物件の購入前でもOKです。いや、むしろ購入前がベターです。物件購入の前にリノベーションの施工会社を決めるなんて、順序が逆に思えるかもしれませんが、大きな理由があるのです。それは、まず、お金に関わることです。
 リノベーションの予算は「物件価格」+「(見積り)工事金額」ですが、工事金額の見積りを出してもらうには時間がかかります。物件購入だけなら、気に入ったものが見つかれば、1週間ほどで契約することができます。
 一方、リノベーションは、大まかなプランづくりと見積りだけでも1?2か月は、かかります。すると、物件を買ったはよいが、工事にかかれず、タイムラグが生じるわけです。

同時にプランづくり

 リノベーション工事の見積りができるまで、希望の物件を押さえておくことは難しいかもしれません。また、見積りの結果、予算が大幅オーバーとなった場合、物件探しも振り出しに戻ることになりかねません。
 では、どうしたらよいでしょうか。
 物件探しと並行してリノベーションの大まかなプランづくりを進めておけば、このタイムラグを避けることができます。
 リノベーションを多く手掛けてきた施工会社なら、参考になるプランや施工例を豊富に持っているはず。求める中古物件は戸建てかマンションか、どんな間取りが希望か、内装仕様はどんなイメージか、取り入れたい設備機器は何か――。こうしたリノベーションのポイントが分かれば、工事の大枠も決まり、概算見積りを比較的スムーズに出すことができるでしょう。
 一緒にリノベーションに取り組むパートナー=施工会社を早めに選ぶべきなのは、こうした理由からです。

二重払いの期間を短く

 住宅ローンを組んで物件購入した場合、代金の決済が終わるとローンの支払いが始まります。賃貸住宅から自分でリノベーションした住まいに住み替えるまでは、やむなく家賃とローンの二重払いをすることになりますが、その期間を極力短くしたいはずです。
 物件を購入しても、施工会社が決まっていなければ、リノベーション工事に着手できません。たとえ施工会社が決まっていても、プランが確定していなければ、やはり着工できません。これでは家賃とローンの二重払いの期間が無駄に長くなってしまいます。
 購入後、間を置かずに着工できるようにするには、やはり、早めに施工会社を決めてプランづくりを進めておくことです。

好みの施工例があるか

 では、どんな施工会社を選んだらよいでしょうか。不動産の知識や現地調査(中古物件の床、壁、天井などの状態を確認する)の能力は、基本中の基本です。そのうえで、設計力や提案力、工事価格を分かりやすく提示するなどの安心感、またマンションのリノベーションなら管理組合員や管理人とのコミュニケーション力も外せないポイントでしょう。
 リフォーム雑誌などで自分の趣味や好みに合ったリノベーションの施工例を見つけたら、その会社に相談に出かけてみましょう。他の施工例も見せてもらい、右に述べた物件購入までの対応を尋ねてみましょう。これだけでも、自分とその会社との相性が、かなり確かめられるはずです。
 プランづくりから物件の引き渡しまで、新築と変わらないくらいの長丁場になる場合もあります。気持ちよく付き合える施工会社を選んでください。

 
 
STEP3 中古物件を探す


工事内容も伝える

 戸建てでもマンションでも、中古物件を探す際は「リノベーション可能な物件」という条件をはっきり伝えて、複数の不動産仲介業者に依頼します。
 リノベーションは既によく知られた言葉ですが、人によっては、リフォームと同様に考えている場合もあります。リフォームは可能でも、リノベーションは難しい物件を紹介されても困ります。「大幅な間取り変更をする」「水回りの位置を移す」など、想定する工事内容をいっしょに伝えておくと誤解の余地がなくなり、安心です。
 あらかじめ施工会社を決めておくと、その会社にもリノベーション向きの物件情報が入ってくることがよくあります。条件にあう中古住宅を早く見つけることができるかもしれません。

 
 
STEP4 内覧に同行してもらう

物件選びの強い味方

 中古住宅の質の見極めは、買い手次第。仲介業者などのアドバイスを借りながらも、間違いない物件選びをするためには、やはり住宅の構造や法規などに関する一定の知識が必要です。
 こんなとき、あらかじめ信頼できる施工会社を決めておくと、助かります。物件の内覧に同行してもらえるからです。

候補が絞られた段階で

 プランづくりを先に進めるには、実際の建物を見て、前もって物件の利点や制約を知ることが必須ですから、たいていの施工会社は内覧に同行してくれます。「この壁は抜けるか」「天井高はもっと上げられるか」など、物件を入念にチェックすることで、施主の希望するリノベーションが可能かどうか判断してくれます。
 リノベーションの施工会社は、条件に合致する物件を探し当てる強い味方になります。遅くとも、購入したい中古物件の候補が絞られてきた段階で、内覧に同行してもらう施工会社を決ておきましょう。

物件選びのポイント

 既存不適格…古い物件の中には現在の法律に照らすと違反になる住宅があります。リノベーションの際は、現行の法規に適合するよう条件がつくのが一般的です。場合によっては増築が認められないばかりか、現状よりも狭い家になることがあります。

 耐震性…1981年の新耐震基準を満たした建物が安心です。ただし、旧基準の物件が地震に弱いとも一概に言えません。耐震性は、ある程度、図面で判断できますから、購入を検討するのなら、建築士に依頼して調査してもらってもよいでしょう。戸建て住宅の場合は、リノベーションの際に耐震工事も可能です。

 バリアフリー…中古物件はバリアフリー仕様でないこともしばしば。床のバリアフリー化は後からでも可能なので、当面必要がなければ、バリアフリーにこだわらないことです。

 メンテナンス…戸建て住宅では基礎や柱などの構造面の不安を解消しましょう。屋根や外壁などの維持補修工事の履歴がわかると、リノベーションの際にメンテナンスも必要かどうかの判断材料となります。マンションでは長期修繕計画の施行や予定をチェック。定期的な補修がおろそかだと、管理組合が機能していないかもしれず、トラブル発生の心配があります。

 部屋の汚さ…部屋のクリーニングがされず、汚いままになっている物件があります。しかし、リノベーションが前提ですから、これは過度に気にしないこと。あくまでも立地・空間・価格での判断が大切です。汚さを敬遠するあまり、その物件の長所を見過ごさないようにしましょう。

 
 
STEP5 物件を購入する

 いい物件ほど、迷っているうちに買われてしまうもの。リノベーションにはスピードとタイミングも大切です。
 物件の購入にあたってローンを組む場合は、リノベーションに理解のある金融機関を利用したいものです。物件購入資金とリノベーション費用を住宅ローンとして一本化してくれる金融商品があります。勤務先の会社に財形貯蓄制度があるなら、財形住宅融資の利用も検討してみましょう。融資額や金利の面で有利です。
 融資の審査が承認されるタイミングで不動産売買契約を結び、これで購入のプロセスは、ほぼ完了です。リノベーションに弾みがついてきました。

 
 
STEP6 プランと見積りの細部をつめる


 購入代金の決済が終わり、物件が引き渡されるまでの間も、施工会社とは細かな打ち合わせを重ねることになるでしょう。
 手に入れた物件の可能性と制約条件、当初に抱いた希望、予算範囲、そして施工会社の提案をよく検討して、リノベーションの最終プランと工事金額を確定します。いよいよ大詰めです。

 
 
STEP7 工事契約を結ぶ

 プランと工事金額に納得できたら施工会社と工事請負契約を交わします。
 工事規模によりますが、工期は1?2か月程度が目安。施工会社が作成する工程表を手元に置き、スケジュールを把握します。現場での相談や調整が必要なことが生じるかもしれません。節目となる工事の時期をおおよそ頭に入れておきましょう。